凱旋門賞

ザルカヴァ、タイムフォーム誌レーティングにおいて歴代牝馬7位に

 イギリスのタイムフォーム誌は、ザルカヴァ(Zarkava)が無敗を守った第87回凱旋門賞の後、同馬に133のレーティングを与えた。アガ・カーン殿下(SA Aga Khan)所有の牝馬は、この50年の牝馬のなかでは7番目に良いレーティングを獲得したことになる。

 1974年にアレフランス(Allez France)と1983年にハビビ(Habibii)に付けられたレーティング136がいつも最高基準として考えられている。

 レーティング133のザルカヴァとレーティング136の2頭の伝説的牝馬では、タイムフォーム誌は、 ダリア(Dahlia) とペブルス(Pebbles)にレーティング135を、プティッテトワール(Petite Etoile ザルカヴァの5代遡る)とオールアロング(All Along)に134を与えている。レーティング133は同誌が1988年の最高牝馬としたミエスク(Miesque)とインデアンスキマー(Indian Skimmer)に与えられている。アガ・カーン殿下所有でアラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer Dupré )調教師に管理された3歳牝馬はこの名馬たちに加わる。

 タイムフォーム誌のハンデキャッパーたちは今回の決定について次のようにコメントしている。「ザルカヴァの基本レーティングは、凱旋門賞優勝をもとにするのであればむしろレーティング131なのですが、2着のユムゼン(Youmzain)と2馬身の差をつけたことと、必ずしも理想的な進路を走っていなかったことで、2ポンド上乗せしました。同馬はこの50年の牝馬の成績において最高牝馬の1頭に数えられることは間違いありませんし、もし彼女が来年も現役を続けるのであれば史上最高牝馬となる潜在性も持っています」。

 比較として、ザルカヴァ以前に最後に凱旋門賞(1993年)に優勝した牝馬アーバンシー(Urban Sea)は、レーティング127が与えられていた。牡馬に関しては、この20年での最高レーティングは、パントルセレーブル(Peintre Célèbre 1997)とモンジュー(Montjeu 1999)に与えられたレーティング137である。

By Francois Hallopé
[Racing Post 2008年10月8日「Zarkava: la 7e étoile de Timeform」]Zarkavaarc2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ザルカヴァはゲート1、マーマレードはムルタ騎手騎乗

 第87回凱旋門賞は、以下の16頭(3歳馬5頭、古馬11頭)で競われる。今から日曜日の午後までに天候が悪化しなければ馬場は「良/稍重」となるだろう。

 発走ゲートの抽選で、ザルカヴァはゲート番「1」を手に入れ、もう1頭の3歳無敗馬ヴィジオンデタはゲート「8」から発走することになり、ソルジャーオブフォーチュンのゲート番はその横「9」、デュークオブマーマレードのゲート番は外の「14」である。

 アラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer-Dupré )調教師は、自身のチャンピオン牝馬にはゲート番「1」ではなく、他の番号を望んでいた。「これはもちろん理想的ではありません。なぜなら、馬場は前のレースの馬たちにより走り込まれていますので、この場合コーナー近くは最良ではありません」。しかし、とりわけシャンティイの調教師が危惧していることは、フランス・メテオ(天気予報)により予測されたシナリオ「日曜の朝の雨」である。「ロンシャンのコースは乾くのに時間が掛かります。天気予報が当たれば、馬場重になり、ザルカヴァにとっては経験のない馬場になるでしょう」。金曜日の朝、ロンシャン競馬場に掲示された硬度計は「3.3」を差し、「良」と「稍重」の間である。これは2007年凱旋門賞の日と同じであり、このときザルカヴァはマルセル・ブーサック賞に出走した。

 アイルランド陣営のほうは、エイダン・オブライエン(Aïdan O'Brien)調教師は出走登録でソングオブハイアワタ(Song of Hiawatha)を申請していたが、豪華な同厩舎馬ソルジャーオブフォーチュンとデュークオブマーマレードのペースメーカーはレッドロックキャニオンだけに任されることとなった。金曜正午には今年G1競走を5回制しているデュークオブマーマレードはジョニー・ムルタ(Johnny Murtagh)騎手の騎乗と決まった。2007年の凱旋門賞で5着、コロネーションカップ優勝、 サンクルー大賞はユムザンの2着だったソルジャーオブフォーチュンは2007年凱旋門賞での鞍上であり、アイリッシュ・ダービーを制したパートナーのジェームズ・ヘファナン(James Heffernan)騎手の騎乗と決まった。ペースメーカーのレッドロックキャニオンに騎乗するのはコルム・オドノヒュー(Colm O'Donoghue)騎手である。

1(3)ユムザイン(Youmzain 牡5)59.5 kg R. ヒルズ
2(11)ザンベジサン(Zambezi Sun 牡4)59.5 kg S. パスキエ
3(15)アスク(Ask 牡5)59.5 kg R. ムーア
4(10)スキャパレリ(Schiaparelli 牡5)59.5 kg L. デットーリ
5(4)メイショウサムソン(Meisho Samson 牡5) 59.5 kg 武豊
6(9)ソルジャーオブフォーチュン(Soldier of Fortune 牡4)59.5 kg J. ヘファナン
7(14)デュークオブマーマレード (Duke of Marmalade 牡4)59.5 kg J. ムルタ
8(5)ペイパルブル(Papal Bull 牡5)59.5 kg J. フォーチュン
9(2)イッツジーノ(It's Gino 牡5)59.5 kg T. テュリエーズ
10(13)レッドロックキャニオン(Red Rock Canyon 牡4)59.5 kg C. オドノヒュー
11(7)ゲッタウェイ(Getaway 牡5)59.5 kg O. ペリエ
12(8)ヴィジオンデタ(Vision d'Etat 牡3)56 kg I. メンディサバル
13(12)カムジン(Kamsin 牡3)56 kg J. ヴィクトワール
14(6)ブルーブレジル(Blue Bresil 牡3)56 kg W. モンジル
15(16)チマデトリオンフ(Cima de Trionphe 牡3)56 kg D. バルジュー
16(1)ザルカヴァ(Zarkava 牝3)54.5 kg C. スミヨン

By Francois Hallopé
[Paris Turf 2008年10月3日「Arc: Zarkava avec le 1, Duke of Marmalade avec Murtagh」]Royerduprechantilly

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ヴィジオンデタ、好調を保つ

9月29日朝、サルト県の自身の厩舎の砂馬場で、エリック・リボー(Eric Libaud)調教師は、6日後に同い年のザルカヴァ(Zarkava)と同様に無敗馬として凱旋門賞に出走する、ジャック・デトレ(Jacques Detre)氏所有の3歳馬ヴィジオンデタ(Vision d'Etat)に最後の調教を行った。ジョッキクリュブ賞(仏ダービー)を制した調教師は、「ただ状態を保つための調教です。出走準備の本質部分はすでに済ませています。しかし、2レース間には3週の隔たりがありますので、ほんの軽い調教でもやはり施す必要があります」と述べた。つまりこれは同馬にとっては通常の範囲であり、自身の目印のあるいつもの森の中での、いつもどおりノエル・グリノー(Noel Guerineau)氏騎乗による約1600 mの併せ馬(他2頭と一緒)での走行である。ニエル賞の勝利から2週間経った今、関係者たちによればすべての信号は青である。リボー調教師は、「ヴィジオンデタの調子は良好であり、ニエル賞出走前よりも素晴らしいと私には思えます」と語った。ここ数週間のリボー調教師の仕事はただ、ヴィジオンデタをまぎれもなく10月第1週目の日曜日にトップに引き上げることを目標にしている。「凱旋門賞のためには十分乗り込んだように思います。今や凱旋門賞デビューの日に向けて、すべてのストレスを遠ざけて進むのみです」。サルト県の調教師がすべての仕上げを完璧に行ったと思っていたとしても、観客と同様に直面する材料があるだろう。それは、天候は雨のほうが好ましいということである。

By Sebastien Pouteau
[Paris Turf 9月29日「Vision d'Etat entretient sa forme」]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

23頭が出走馬リストに残る。カンテプリュスは可能か(ARC J-5)

火曜日の朝の第1出走登録が発表され、2008年凱旋門賞の出走馬リストには現在のところ23頭が残っている。2006年と2007年は出走頭数不足のためにカンテプリュス(5連単)の発売はなかったが、2008年凱旋門賞はこの馬券を楽しめるかもしれない。しかも、今から日曜日までに的中者が出ない場合は600万ユーロ(約9億6000万円)もの積立金付きである。

 無敗馬のザルカヴァとヴィジオンデタを含む6頭の3歳馬が、賞金総額が初めて400万ユーロ(約6億4000万円)まで跳ね上がったロンシャン競馬場で開催の凱旋門賞に立候補している。そのほかの古馬のなかでは、デュークオブマーマレード、ユムザン、ソルジャーオブフォーチュン、ゲッタウェイおよびスキャパレリなどの名が見られる。

 豪華な3歳牝馬ザルカヴァはヴェルメイユ賞での余裕の勝利の後、ブックメーカーにより2.5〜2.75倍のオッズをつけられ本命馬とされている。同馬は、馬場状態によって出走を決めるデュークオブマーマレード(4〜4.5倍)よりも高い人気である。能力を存分に発揮するには稍重馬場を必要とするスキャパレリ(34倍)とは反対に、デュークオブマーマレードは良馬場を得意とする。ソルジャーオブフォーチュン(5〜5.5倍)、ヴィジオンデタ(8〜9倍)、ユムザイン(11〜13倍)、ゲッタウェイ(11〜15倍)、メイショウサムソン(15〜17倍)およびザンベジサン(21〜34倍)の出走は確実のように思われる。まだ天候に関する疑問符が残っている一方で、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎から出される先行馬が出走するかどうかの疑問もある。アガ・カーン殿下(SA Aga Khan)の先行馬については出走の可能性はない。ザルカヴァはすべての駆け引きを適用するには十分にリラックスしており御しやすく、先行馬を付け加える必要はない。

 13頭がほぼ出走確実とされている現時点の出走リストに木曜の朝、オークスを優勝しドンカスター競馬場でのセントレジャーで3着となった英国馬ルックヒア(Look Here 3歳)が追加されるかもしれない。その場合、同馬の関係者は、10万ユーロ(約1600万円)の料金を支払わなければならない。

1. ユムザイン(Youmzain 5歳) 出走確実
2. ザンベジサン(Zambezi Sun 4歳) - 出走の公算高し
3. ソングオブハイアワサ(Song of Hiawatha 4歳) - クールモア先行馬?
4. セプティマス(Septimus 5歳) - 不出走 (メルボルンCに出走予定)
5. アスク(Ask 5歳) - 良馬場であればおそらく出走
6. グロリアデカンペオン(Gloria de Campeao 5歳) - 土曜日にドラール賞に出走予定
7. スキャパレリ(Schiaparelli 5歳) - 稍重であればおそらく出走
8. メイショウサムソン(Meisho Samson 5歳) -出走確実
9. ソルジャーオブフォーチュン(Soldier of Fortune 4歳) - 出走確実
10. デュークオブマーマレード(Duke of Marmalade 4歳) - 良馬場であればおそらく出走
11. ペイパルブル (Papal Bull 5歳) - 出走確実
12. イッツジーノ(It's Gino 5歳) - 出走確実
13. カーリン(Curlin 4歳) - 不出走 (土曜日に勝利したためブリーダーズCに向けて準備)
14. レッドロックキャニオン(Red Rock Canyon 4歳) - クールモア先行馬?
15. ゲッタウェイ(Getaway 5歳) - 出走確実
16. ノーマン(Normen 5歳) - 出走たいへん疑わしい
17. ラブーム(La Boum 5歳) - 出走疑わしい
18. キングオブローマ(King of Rome 3歳) - 2日前レースに出走
19. ヴィジオンデタ(Vision d'Etat 3歳) - 出走確実
20. キングオブウエストファリア(King of Westphalia 3歳) - クールモア先行馬?
21. ブルーブレジル(Blue Bresil 3歳) - 出走確実
22. シーマドトリオンフ(Cima de Triomphe 3歳) - 出走確実
23. ザルカヴァ(Zarkava 3歳) - 出走確実

By Florent Béasse et François Hallopé
(1ユーロ=約160円)
[Paris Turf 2008年9月30日「Arc J-5: vingt-trois restants et un quinté+ probable」]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

メイショウサムソン、丹念な仕上げ(ARC J-10)

 フォア賞に出走しなかったメイショウサムソン(Meisho Samson)は 凱旋門賞の10日前、一心に仕上げに励み続けた。そして同馬はシャンティイ競馬場で、このためだけに日本からやって来た武豊騎手の騎乗で追い切りを行った。この追い切りの数時間後、同騎手は日出づる国への帰途につく。

 メイショウサムソンがその帯同馬ファンドリコンドル(Foundry Condor)とともにトラックでシャンティイ競馬場に着いたのは8時15分頃であった。数人の日本人ジャーナリストがいた。しかし、2年前のディープインパクト(Deep Impact)のときの熱狂状態にはほど遠いものであった。メイショウサムソンがトラックを降りるやいなや、カメラのフラッシュが音を立てた。2頭の馬は落ち着き平静を保ち心構えをし、この様子は日本人の性格をよく表していた。

 8時45分、2頭はコースに入った。メイショウサムソンは、ほんの数時間前にこの追い切りのためにフランスに来た武豊騎手の騎乗で走った。凱旋門賞に備えて1800〜2000 mの駆け足が行われると思われていたが、全く違うものであった。ファンドリコンドルに続きスタートしたメイショウサムソンは1400 mしか走行しなかった。少し意表をつかれた。天才騎手により追い切りを終える合図をされたメイショウサムソンは、2週間前よりは速い走行で自発的に見えた。しかし、意欲的なザルカヴァ(Zarkava)のような本当のデモンストレーションはなく、メイショウサムソンはその追い切りでは最小に抑えていた。武豊騎手は、次のように認めた。「メイショウサムソンはよく走りましたが、彼は朝にあまり活発な馬ではないのです。目標は10月5日であり、すべてはこの日付を中心としています。準備は静かにその成り行きに任せています。確かに2年前よりは重圧は少ないです・・・。新鮮さを与えるほうが良いと思いますので、メイショウサムソンが凱旋門賞デビューの日まで出走しない事は良い事だと思います」。凱旋門賞デビューの日にトップに上りつめるために、メイショウサムソンは来週に最後の追い切りをエーグル・コースで行うだろう。

By Marie-Pauline Gareau
[Paris Turf 2008年9月25日「Meisho Samson peaufine sa forme」]092404_03

| | コメント (0) | トラックバック (0)

デュークオブマーマレード、凱旋門賞を選択肢としてキープ(ARC J-7)

 イギリスの「凱旋門賞」と考えられているキングジョージ6世&クイーンエリザベスSの2008年勝馬デュークオブマーマレード(Duke of Marmalade)が凱旋門賞に参戦するようである。

 今年5戦全勝のG1競走5勝馬で、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師のお気に入りのデュークオブマーマレードは、クラシック競走に出走するだろうが確実とは言えない。

 ペースを乱さずガネー賞、アイリッシュ・ゴールドカップ、プリンスオブウェールズS、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSおよびインターナショナルSを制覇してきたデインヒル(Danehill)の息子は、行き先を変えることを視野に入れ土曜日のグレートリース競馬場の出走を辞退するほうを好んだ。そのため、同馬は10月5日にロンシャン競馬場で施行される世界的に著名な平地競走への出走権を、馬場状態さえ良ければ維持するだろう。馬場状態が悪い場合には、同馬は10月24日金曜日に米国のサンタアニタ競馬場で開催のブリーダーズカップ・クラシック(G1)を視野に入れて、10月3日ダンダーク競馬場のポリトラック社の人工馬場(サンタアニタと同様の馬場 訳注:ただしサンタアニタの人工馬場のメーカーはプロライド社)で競われるレースに出走するだろう。なんと多くの疑問符。

 2007年はデュークオブマーマレードの同厩舎馬のディラントーマス(Dylan Thomas)がキングジョージと凱旋門賞のダブル優勝の達成を果たした。したがって、この賭けはデュークオブマーマーレードにとってはまったく魅力的である。1951年に設立されたキングジョージは、ロンシャン競馬場の急勾配を差し引いた「凱旋門賞」であり、同じ距離の2400 mで競われる。ディラントーマスのほかには、 リボット(Ribot 1956)、 バリーモス(Ballymoss 1958)、ミルリーフ(Mill Reef 1971)、ダンシングブレーヴ(Dancing Brave 1986)およびラムタラ(Lammtarra 1995)もまた、同年で2競走をダブル優勝している。他にもこの2競走をいずれも制した馬はいるが、両競走に1年の隔たりのある優勝である。キングジョージは、凱旋門賞に向けての確かなステップレースとも言える。

By Jean-Claude Alliès
[Paris Turf 2008年9月28日「Arc J -7 : Duke of Marmalade garde « l'Arc » en option」]Duke

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ヴィジオンデタのクロスロード、芝レースの伝説となるか(ARC J-10)

今年のジョッケークリュブ賞(仏ダービー)とニエル賞をいずれも勝った優良馬ヴィジオンデタ(Vision d'Etat)は6戦6勝の負けなしで凱旋門賞に出走する。歴史上初めて、ディアンヌ賞の勝馬とジョッケークリュブ賞の勝馬がいずれも無敗で、フランスの最も豪華な芝競走に挑む。

 馬主ジャック・ドゥトレ(Jacques Detre)氏の代表馬は、1999年と2003年にそれそれ3歳でこの3競走制覇を実現したモンジュー(Montjeu )、ダラカニ(Dalakhani )の軌跡を歩もうとしている。

 1836年、競走を発展させるために、アイルランドのアイリッシュ・ダービーとイギリスのエプソム・ダービーをイメージして、3歳対象のクラシックな距離で競われるジョッケークラブ賞が初めて施行された。2005年から、その距離は2400 mから2100 mとなった。1945年からこの競走に出走することが許可されていた馬の中で、アイルランドはフランスでカウンターを開くのに1981年のアサート(Assert)の優勝まで待たなければならなかったし、イギリスは1989年のオールドビック(Old Vic)の優勝まで待たなければならなかった。8頭の牝馬がこのG1競走を勝ち、その最も最近の例は1874年にまで遡る。したがって、今年ヴィジオンデタの3着となったナタゴラ(Natagora)は称賛に値する。

 1920年の凱旋門賞の設立から、9頭の牡馬がジョッケークリュブ賞と凱旋門賞のダブル優勝をしており、そのうち4頭だけが戦後においてである。それは、1991年のスアーヴダンサー(Suave Dancer)、1997年のパントルセレーブル(Peintre Celebre)、1999年にエルコンドルパサー(El Condor Pasa)による日本馬初の凱旋門賞制覇を阻止したモンジューそして2003年のダラカニである。

 1952年に設立された3歳以上の競走ニエル賞は、凱旋門賞3週間前の理想的なステップレースである。この準備レースは12頭の凱旋門賞勝馬を輩出し、そのうち9頭はこの20年においてである。11頭の「ニエル」優勝馬が凱旋門賞において3着以内に入った事にも気づかされる。1988年にG2に格付けされたこの半クラシックレースは1979年よりロンシャン競馬場において2400 mの距離で施行されている。しかし、3頭の例外的なサラブレッドしかジョッケークリュブ/ニエル/凱旋門賞の3賞優勝を達成していない。それは、アンドレ・ファーブル(Andre Fabre)調教師の管理馬モンジュー(1999)とアラン・ド・ロワイエ=デュプレ(Alain de Royer Dupre)調教師により仕上げられたダラカニ(2003)である。馬主マイケル・テイバー(Michael Tabor)氏の代表馬モンジューは異例の種牡馬となり、父サドラーズウェルズ(Sadler's Wells)の軌跡を辿っており、一方ダラカニはすでに2頭のG1馬ムーンストーン(Moonstone)とコンデュイ(Conduit)を世に送っている。ヴィルデンスタイン(Wildenstein)の勝負服の著名な代表馬パントルセレーブルは3勝優勝をほとんど達成するところまで行っていたのだが、1997年ニエル賞は駆け引きの多いレースとなり、フランソワ・ドゥーマン(François Doumen)調教師の管理馬ラジプート(Rajpoute)が漁父の利を占め、2着入線に甘んじた。

  エリック・リボー(Eric Libaud)調教師のお気に入りであるジョッケークリュブ賞勝馬ヴィジオンデタは、その忠実なパートナーであるイオリッツ・メンディサバル(Ioritz Mendizabal)の騎乗で、クラシック距離でのデビュー戦ニエル賞を、最後にイデアルワールド(Idealworld)を差すという勝利で飾った。すっかり準備のできているこのチチキャステナンゴ(Chichicastenango)の息子は、芝レースのモンジューとダラカニの伝説に加わろうとしている。

By Jonathan Mace
[Paris Turf 2008年9月25日「Vision d'Etat: La croisee des chemins」]
Vision_4

| | コメント (0) | トラックバック (1)

ユムザイン、リチャード・ヒューズ騎手が騎乗権失う(ARC J-13)

 ユムザイン(Youmzain)をお手馬としていたリチャード・ヒューズ(Richard Hughes)騎手は失脚した。同騎手は、2006年8月末から同馬が13回出走したうち11回騎乗しており、その中には2007年凱旋門賞の2着や2008年サンクルー大賞優勝が含まれている。ミック・シャノン(Mick Channon)調教師の管理馬であるユムザインの移り気な馬主ジャバー・アブドゥラ(Jaber Abdullah)氏は、同馬は「手法を変えなければならない」と発令した。一方が不幸になれば、一方幸福になる。凱旋門賞でのシンダー(Sinndar)の息子の騎乗権を手にしたのは、リチャード・ヒルズ(Richard Hills)騎手である。

 今すでにあるだいたいのキャスティングは(慎重を要するものの)以下のとおりである。
クリストフ・スミヨン(Christophe Soumillon)騎手はザルカヴァ(Zarkava)、イオリッツ・メンディサバル(Ioritz Mendizabal)騎手はヴィジオンデタ(Vision d'Etat)、武豊騎手はメイショウサムソン(Meisho Samson)、ジョニー・ムルタ(Johnny Murtagh)騎手はオブライエンのチームが初めの意図を保てばソルジャーオブフォーチュン(Soldier of Fortune)、ダリオ・バルジュー(Dario Vargiu)騎手はシーマドトリオンフ(Cima de Triomphe)そしてフランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手はスキャパレリ(Schiaparelli)である。ステファーヌ・パスキエ(Stephane Pasquier)騎手は、明らかになっていないザンベジサン(Zambezi Sun)の出走の確認あるいは情報を待っているところである。ゲッタウェイ(Getaway)の騎乗はもともとデットーリ騎手に提案されたが、ゴドルフィンの勝負服を優先しなければならなかった(スキャパレリは馬場のコンディションに左右されるが・・・)。キングジョージでぺイパルブル(Papal Bull)に騎乗したオリヴィエ・ペリエ(Olivier Peslier)騎手はこの椅子とリゲームの状況でまだいくつかの選択肢がある。

 ドイツはバーデンバーデン大賞を優勝したカムシン(Kamsin)が最終的に出走を決定しない限り、同競走3着のイッツジーノ(It's Gino)[エドゥアルド・ペドローサ(Eduardo Pedroza)騎手が騎乗]を代表で出す可能性を捨てていない。

By Gerard de Chevigny
[Paris Turf 9月23日「Youmzain: Richard Hughes evince」]

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ニューアプローチ、ニューマーケットに進路を変える(ARC J-13)

 凱旋門賞の堅い候補馬として名乗りをあげていただけに、彼が出走しないとなると予想は全く変わるだろう。

 2008年凱旋門賞の出走馬には、ヨルダンのハヤ王女(Haya de Jordanie)が所有し、ジム・ボルガー(Jim Bolger)調教師が管理するエプソムダービーの勝馬ニューアプローチ(New Approach)が含まれないだろう。ボルガー調教師は、次のように語った。「私たちは、チャンピオンSの2000 mの直線コースのほうが好ましいと決定しました。ロンシャン競馬場の地形と右回りの馬場は、ニューアプローチを不確実な状態に晒すでしょう。ロンシャンの距離2400 mよりも10月18日ニューマーケット競馬場で行われるG1競走の道筋と距離のほうが、同馬に合っているでしょう」。9月7日のアイリッシュ・チャンピオンSのどちらかといえば困難な勝利の後になされた進路変更は、このガリレオ(Galileo)の息子がチャンピオンSの8日後のブリーダーズカップ出走する可能性もすべて排除することを意味する。1965年にシーバード(Sea Bird)が英国ダービーと凱旋門賞の両方に優勝して以来、10頭の英国ダービー優勝馬が凱旋門賞に挑んだが[一番最近では2007年のオーソライズド(Authorized)]、3頭のみが両競走優勝を記録しただけである。それは、1971年のミルリーフ(Mill Reef)、1995年のラムタラ(Lammtarra)および2000年のシンダー(Sinndar)である。

デュークオブマーマレードは土曜日出走するか?
 今年5つのG1競走を制覇しているデュークオブマーマレード(Duke of Marmalade)は、距離2400 mのキングジョージSをペイパル(Papal)に勝ち優勝した後、8月23日に距離2000 mに返り咲きインターナショナルSに優勝した。

 エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師の凱旋門賞における最大の切り札には、ソルジャーオブフォーチュン(Soldiet of Fortune)が残っているが、バリードイル勢の達人はデュークオブマーマレードに関する出走の可能性の疑念を漂わせたままにしている。それでもオブライエン調教師は同馬を予告どおり、イギリスで一番最近に開場したグレートリース競馬場で9月27日に施行される「サラブレッド・オープン・クラシック」に出馬投票した。その目標は、同馬をブリーダーズカップクラシックが開催されるサンタアニタ競馬場で使われる人工馬場での競走に使い、テストすることである。
By Gerard de Chevigny
[Paris Turf 2008年9月23日「New Approach bifurque vers Newmarket」]

| | コメント (0) | トラックバック (0)